ホームページの作成を考えている方なら、「WordPress」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
WordPressとは、世界で最も人気のあるコンテンツ管理システム(CMS)です。WordPressには数多くのプラグインやテーマが用意されており、コーディングの知識なしで簡単にサイトを作成できるのが特徴的です。
この記事では、WordPress使用歴6年以上のエンジニアの目線から、
- WordPressについて
- WordPressのメリット
- WordPressのデメリット
- WordPress以外の選択肢について
これらについて解説していきます。WordPressを導入するか迷っている方、WordPress以外の選択肢をお探しの方はぜひ参考にしてください。
WordPressとは?
WordPressとは、簡単にホームページやブログを作成できるコンテンツ管理システム(CMS)の一つです。
まずはWordPressについて簡単に理解するために、
- WordPressの特徴
- WordPressの導入率
- WordPressの具体的な使用例
について説明していきます。
WordPressの特徴は?
WordPressの主な特徴は、以下の通りです。
- 初心者でも簡単に操作できる
- 豊富なテーマやプラグインが用意されている
WordPressは、ブログやWebサイトの作成に必要なHTMLやCSSなどのコーディングの知識がなくても、簡単に操作することができます。
通常、Webサイト上の情報を更新するには、ファイルを編集&サーバーにアップロードする必要があります。WordPressでは、管理画面から編集&更新が可能なので、コードを一切書かずともサイトを管理することができます。
また、豊富なテーマやプラグインを利用することで、自分好みのデザインや機能を追加することができます。WordPressには10,000種類以上のテーマが登録されており、拡張機能を簡単に実装できるプラグインも豊富に存在するので、コードを書かずにデザイン&機能の追加編集が可能です。
WordPressはどのくらい導入されている?
このようなWordPressの使いやすさが圧倒的なシェアを支え、全サイトの43%以上はWordPressを使用しており、CMS市場の中では63%以上を占めています。

WordPressの具体的な使用例は?
WordPressは個人や企業を問わず、幅広い用途で利用されています。個人ではブログやアフィリエイトサイト、企業ではコーポレートサイトやECサイトなど、さまざまなWebサイトの構築に利用されています。
WordPressの具体的な使用例としては、以下のようなものが挙げられます。
- ブログ
- アフィリエイトサイト
- コーポレートサイト
- ECサイト
- ニュースサイト
- ポートフォリオサイト
- コミュニティサイト
- 会員制サイト
上記の表を見ると、WordPressは自由度・拡張性が高く、様々な要件のサイトを制作できることがわかりますね。
WordPressのメリット
WordPressを使用するメリットは、以下のようなことが挙げられます。
無料で利用できる
WordPressの最大のメリットは、無料で利用できるという点です。
WordPressはオープンソースの無料ソフトウェアなので、利用料金は発生しません。さらに、テーマやプラグインには無料で公開されているものが多く、デザインや機能の拡張も無料で行うことができます。
CMSの中には月額料金がかかるものもありますが、WordPressではユーザー数・サイト数などの制限がなくいくらでも無料でサイトを作成できるということが一番の強みですね。
導入・運用が簡単
WordPressは導入・運用も簡単に行うことができます。
まず導入に関しては、多くのレンタルサーバーで「WordPress簡単インストール機能」が用意されています。この機能を使うと、1クリックでWordPressのインストールからデータベースの構築まで自動で行ってくれます。
通常はWordPressの公式サイトからダウンロードして、FTP等のソフトでサーバーにアップロードするという手順が必要なのですが、これらの手順を自動化できるのはWordPressならではの強みですね。
サイト運用面に関しては、ユーザーを自由に追加可能なので、複数人でサイトを運営することができます。ユーザーごとに編集できる権限も設定可能なので、ホームページ全体を管理する人、記事投稿を行う人など役職によって分担することで、サイトの運用を効率化することができます。
初心者でも簡単にサイトを構築できる
一般的に、Webサイトを一から作成するには最低限のコーディングの知識が必要になります。しかし、WordPressでは管理画面から直感的に操作できるので、専門的な知識がない初心者でも簡単にサイトを構築することができます。
高度なカスタマイズには知識が必要となりますが、大抵の場合はテーマに搭載されている機能やプラグインで対応可能です。
デザインの自由度が高い
WordPressには、サイトのデザインを簡単に変更できる「テーマ」というものが存在します。
無料のものから有料のものまで提供されており、10,000個以上のテーマの中から選ぶことができます。

テーマはWordPressの管理画面から検索可能です。気に入ったテーマが見つかったら、そのままダウンロード→サイトに適用することができます。
テーマを使用することで、簡単におしゃれなデザインに変更したり、テーマ固有の機能を使ってサイトを自由にカスタマイズすることが可能です。
ブログ執筆に向いているテーマ、ECサイトに最適化されたテーマ、コーポレートサイト用のテーマなど様々な種類があるので、用途に合ったテーマを使用することでサイト制作の工数を大幅に削減できます。
プラグインで機能拡張を簡単に行える
テーマだけではなく、機能拡張が簡単に行えるプラグインが豊富にあるのもWordPressの特徴です。
一般的に機能を拡張するには自身でコードを書く必要がありますが、WordPressではプラグインをインストールするだけで簡単に行えます。
プラグインの主な例としては、以下のようなものがあります。
- お問い合わせフォーム
- カレンダー
- セキュリティ対策
- SEO対策
- サイトのバックアップ
- ショッピング機能
これらはほんの一部で、WordPressには無料のものだけで6万点近くのプラグインが提供されています。
SEO対策を容易に行える
WordPressでは、サイトを検索上位に表示させるためのSEO対策も簡単に行えます。
SEO対策のプラグインが充実しており、特に「All in One SEO 」や「Yoast SEO 」などが有名です。これらのプラグインを使用することで、簡単に管理画面からタイトルタグやメタタグの設定、OGPの設定なども行えます。
他にも、画像圧縮プラグインやキャッシュプラグインでサイト読み込み速度を最適化したり、モバイルフレンドリーのテーマを使用することもSEO対策に有効です。
とはいえ、WordPress = SEOに強いというわけではありません。あくまで対策を容易に行えるというだけなので、しっかり対策するにはSEOに関する専門的な知識が必要です。
SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、検索結果の上位に自社のサイトが表示されるように対策することです。
ネット上に情報が豊富にある
上でも述べたように、WordPressは利用者数が圧倒的に多いので、問題の対処法やカスタマイズの方法などの情報が数多くシェアされています。
例えばプラグインやWordPressのバージョン関連でエラーが発生した場合でも、大抵のことはネット上に解決方法が公開されていることが多いです。
これはユーザー数がダントツで1位であるWordPressならではの強みですね。
そのため、よくあるエラーの解決策や簡単なカスタマイズ程度なら、初心者でも問題なく行うことができます。
WordPressのデメリット
WordPressには数多くのメリットがありますが、当然デメリットも存在します。ここでは、WordPressを使用するにあたって注意すべきことやデメリットについて説明します。
高度なカスタマイズをするには知識が必要
WordPressにはテーマとプラグインが豊富にあるため、大抵のことは専門知識がなくても問題なく実装できます。
しかし、オリジナリティを出したい場合や、プラグインに機能を追加したい場合には、直接コードを書く必要があります。
- テーマのデザインを変更したい・・・HTML / CSSの知識が必要
- プラグインに機能を追加したい・・・PHPの知識が必要
- アニメーション等を追加したい・・・JavaScriptの知識が必要
専門知識がないままこれらの対応をしようとすると、サイトのデザインが崩れたり、最悪の場合はページが真っ白になることがあります。
そのため、テーマやプラグインのカスタマイズをする場合は外部に作業を依頼するのも手段の一つです。
公式の個別サポートが存在しない
WordPressはオープンソースのプロジェクトで、ボランティアによって無料で提供されているため、電話といった方法での個別のテクニカルサポートはありません。
そのため、基本的に問題が発生した場合は以下の方法で解決する必要があります。
- 自身で検索して解決する
- 公式のドキュメンテーションを読む
- フォーラムを利用する
とはいえ、これらは解決を保証してくれるものではありません。
使用中のテーマ、プラグイン、WordPressのバージョン等はそれぞれ異なるので、「記事の通りに試しても解決しなかった」「同じ条件の人がおらず有益な解決法が得られなかった」といったことも多々あります。
もし個別でしっかりとしたサポートを受けたい場合は、プロに依頼する必要があるでしょう。
セキュリティに脆弱性がある
WordPressの大きなデメリットとして、セキュリティの脆弱性がよく指摘されています。
オープンソースのソフトウェアなのでコードを誰でも見れること、また世界で一番使用率が高いCMSということもあり、悪質なハッカーの標的になりやすいという点があります。
WordPress本体やプラグインのバージョンを古いまま放置したり、セキュリティ対策しないままでいると、ハッキングされる危険性がかなり高まります。
もしアカウントを乗っ取られてしまうと、サイトの中身を消されたり、機密データが流出するといった事もあるので、セキュリティ対策は特に注意して行う必要があります。
- セキュリティ対策のプラグインを導入する
- WordPress本体とプラグインのバージョンを常に最新にする
- 定期的にバックアップをとる
上記を行うことでハッキングのリスクは大幅に削減されるので、WordPressを導入する場合は必ず対策をしてください。
ページの表示速度が遅くなりがち
WordPressは動的にページを生成するCMSのため、WordPressを使っていないサイトと比べると表示速度が遅くなりがちです。
動的なCMSでは、コンテンツがデータベースに保存され、必要に応じて取得されます。ページを表示するたびにデータベースから情報を取得する必要があるため、これには一定の遅延が発生します。
他の要因としては、プラグインの入れすぎや機能性の高いテーマを使用するとサイト表示速度に影響することがあります。
プラグインは機能を簡単に拡張できるため気軽に導入してしまいがちですが、入れすぎるとサーバーに負荷がかかったり、ページロード時にCSSやJavaScriptファイルなどの外部リソースの読み込みが増え、結果的にサイト表示速度の低下につながります。
また、テーマに関しては、機能性・デザインが高いテーマを使用する場合は注意が必要です。高機能なテーマはそれだけ内部のコードの記述も多く、ファイルの読み込みも多くなりがちです。
テーマの最適化が不十分な場合、必要のない機能を含むファイルが余分に読み込まれることがありますので、最適化されたテーマを選ぶようにしましょう。
WordPress本体やプラグインのバージョン管理が難しい
WordPressは定期的にバージョンアップされており、それに伴いテーマやプラグイン等のバージョンも更新されます。基本的にはセキュリティの観点から常に最新版にアップデートしておくのが重要ですが、その管理が難しい場面があります。
まず、WordPressのバージョン管理において問題となるのは、頻繁な更新です。WordPressは、頻繁に新しいバージョンをリリースしていますが、これらの更新が互換性の問題を引き起こすことがあります。特に、古いテーマやプラグインが使用されている場合、新しいWordPressのバージョンとの互換性が損なわれる可能性があります。
さらに、プラグインも頻繁に更新されますが、これらの更新が一貫して行われるとは限りません。一部のプラグインの開発者は、更新の頻度やタイミングを管理しきれず、新しいWordPressのバージョンに対応できない場合があります。 その結果、プラグイン同士の互換性の問題やセキュリティ上のリスクが発生する可能性があります。
では「バージョンを更新しなければいい」と考える方もいるかもしれませんが、バージョンが古いままだとセキュリティの脆弱性を狙われやすくなるので、放置するのも得策ではありません。
有効な対策としては、
- アップデート前にバックアップをとっておく
- プラグインが更新されていない場合、他のプラグインを検討する
- プラグインを使用せず、機能を自作する
などがありますが、ある程度の専門的な知識が必要となります。
WordPressの導入を外注するという手もある
WordPressは拡張性や自由度が優れているというのは事実ですが、実際のところはコーディングの知識がないとテーマやプラグインの機能に制限されます。
そのため、「オリジナリティを出して他社と差別化したい」「思い通りにカスタマイズしたい」という場合は、WordPress専門の業者に依頼することをおすすめします。
WordPressの導入を外注することのメリット
WordPressの導入を外注することは、主に以下のようなメリットがあります。
- 自由度の高いデザインを実装可能
- 管理画面や投稿タイプなど、自由にカスタマイズできる
- セキュリティ対策やバージョン管理も対応してくれる
自由度の高いデザインを実装可能
近頃のWordPressでは、テキストや画像などのコンテンツをブロック単位で管理する「ブロックエディタ」という機能を使ってページを作成することができます。

ブロックエディタのページ作成画面
ブロックエディタはコードを書かずとも簡単にページを作成できるという強みがありますが、その反面複雑なデザインを再現することができません。
ブロックごとのデザインはテーマによってある程度決まっており、自由にカスタマイズするにはCSSを追加で上書きしたりする必要があるからです。
WordPress制作を外注する場合は、複雑なデザインを再現するのみならず、高度なアニメーションの実装など自由に制作することが可能です。
WordPressでは、管理画面上でエディタから作成するという方法の他に、テンプレートファイルに直接コードを書くという方法でもページを作成できます。
この方法ではHTML、CSS、PHPの知識が必要となりますが、ブロックに縛られることなく自由にページのコンテンツを制作できるという特徴があります。
ブロックエディタでページを作成すると、どうしても素人っぽさが出てしまいがちです。「他社と差別化したい」「かっこいいデザインに仕上げたい」という方には、コーディングのプロに外注するのがおすすめです。
管理画面や投稿タイプなど自由にカスタマイズできる
WordPressの管理画面は使いやすいように設計されていますが、人によっては「機能が物足りない」もしくは「機能が多すぎて使いづらい」と思うことがあります。
会社であれば複数人でサイトを運営することになるため、管理画面はできるだけ使い易いようにしておきたいですよね。前述したとおり、WordPressは拡張性・カスタマイズ性に優れているので、PHPの知識があれば自由にカスタマイズすることができます。
- 管理画面に独自の編集項目を追加する
- 使わない項目を削除してシンプルにする
など、サイトの用途に合わせて管理画面を自由に組み替えることが可能です。
また、必要に応じて投稿タイプも自由に追加することができます。投稿タイプとは、ブログやお知らせのようなコンテンツを管理するための仕組みです。
デフォルトでは「投稿(Post)」が用意されていますが、サイトによってはブログ以外にも更新したいコンテンツがある場合が多いですね。
例えば、不動産サイトなら「物件情報」、販売サイトなら「商品情報」など、サイトの種類によってさまざまです。これらはカスタム投稿タイプと呼ばれ、カテゴリー(タクソノミー)や入力項目なども自由に組むことができます。
以下は、商品情報を更新できるカスタム投稿タイプ「商品」の実装例です。

カスタム投稿タイプ「商品」の編集画面
カスタム投稿タイプ「商品」を作成し、さらにカスタムフィールドで「商品名」「商品画像」などのオリジナルの入力欄も自由に設定することができます。
これらのシステム側の設定もWordPressのプロに外注することで、コンテンツの制作に集中することができます。
セキュリティ対策やバージョン管理も対応してくれる
セキュリティ対策とバージョン管理は、WordPressのサイトを運営する際に特に慎重に行うべき項目です。対策が間違っていたり、バージョン管理を怠ると「サイトが表示されない」「エラーが発生してプラグインが動かない」といった状況に陥ることも少なくありません。
こういった事態を防ぐためにも、WordPressサイトの保守管理はプロに外注することをおすすめします。保守管理の内容としては、一般的には以下のような項目です。
- セキュリティプラグインの導入・設定
- 不正アクセスのチェック
- 定期的なバックアップの取得
- テスト環境の構築
- WordPress本体・プラグインのバージョン管理
- アップデートによる不具合の修正
- PHPのバージョン管理
不正アクセスのチェックやバージョン管理は定期的に行う必要があるので、多くの保守管理サービスでは月額費用がかかります。
これらの作業を自社で対応するのは大変ですし、もし対策が不十分だと最悪の場合サイトが消えたりデータが流出したりする恐れがありますので、プロに任せてしまうのがいいでしょう。
脱WordPress!この機会に「ヘッドレスCMS」の導入を推奨します
WordPressは2003年に誕生したサービスで、20年以上もの間世界中で圧倒的なシェアを誇っています。しかし、セキュリティの脆弱性、表示速度の低下、バージョン管理等が大変といったデメリットもありますね。
そこで、WordPress以外の選択肢として2018年ごろから注目されている「ヘッドレスCMS」を紹介します。
ヘッドレスCMSとは?
ヘッドレスCMSを一言で説明すると、コンテンツ管理に特化したCMSです。ここでの「ヘッド」はフロント部分(表示画面)という意味で、その部分が「レス」= ないという意味になるので、コンテンツ管理のみ可能なCMSということになります。
作成したコンテンツはAPI経由でフロントエンド側に表示することが可能で、フロントエンドとバックエンドの機能がそれぞれ独立しているのが特徴です。
WordPressとヘッドレスCMSの違いは?
WordPressなどの従来のCMSはモノリシックと呼ばれ、「コンテンツ管理」と「コンテンツの表示」を両立できます。実際にWordPressでは、投稿(コンテンツ)を作成して公開ボタンを押せば、すぐにページを公開して、ブラウザ上で表示することができますね。
対するヘッドレスCMSは「コンテンツ管理」のみが可能となっています。そのため、記事やコンテンツの作成は可能ですが、それを表示するにはフロント部分を別で実装する必要があります。
WordPressをヘッドレス化して運用するという方法もあります。記事やコンテンツの管理はWordPressの管理画面を利用し、フロントエンドはPHPに縛られることなく自由な言語を選択して実装することが可能です。
ヘッドレスCMSのメリット
ヘッドレスCMSはコンテンツ管理のみが可能と説明してきましたが、ここだけを見るとコンテンツの表示も行えるWordPressと比べて劣っていると感じる方もいるかもしれません。
ここからは、ヘッドレスCMSを導入することのメリットについて解説していきます。
セキュリティ性が高い
ヘッドレスCMSはセキュリティ性が高く、外部からの攻撃に強いのが大きなメリットです。
理由の一つとしては、コンテンツの表示部分を担うフロントエンドと、コンテンツの管理をするバックエンドがそれぞれ分離していることです。これにより、コンテンツの管理と公開を担当するバックエンド部分が隔離され、攻撃者がアクセスできる攻撃面が狭められます。
さらに、表示されるコンテンツはAPI経由で取得した表面的なものなので、攻撃者からすると内部の構造がわからず、結果的にデータベースや管理画面にアクセスすることは不可能になります。
WordPressのようなフロントエンド、バックエンド、データベースが一体となっているCMSでは、一点でも突破されると多くの情報にアクセスできるため、危険性が高いといえますね。
サイトの表示速度が速い
ヘッドレスCMSの大きなメリットとして、サイトの表示速度が速いことが挙げられます。
WordPressなどの従来のCMSでは、ユーザーからのリクエストに応じてサーバーサイドで動的にHTMLを生成し、クライアントに提供します。
一方ヘッドレスCMSでは、コンテンツを事前に静的ファイルとして生成しておき、リクエストがあれば完成したHTMLをそのまま返すだけでいいので、レスポンスが高速になります。
さらに、キャッシュやCDNを活用して配信することができるので、高速でページを表示することが可能になります。
Webサイトの一部だけをCMS化できる
ヘッドレスCMSでは、サイト上の必要な部分のみをCMS化することが可能です。
例えば、「静的に作られたコーポレートサイトにお知らせ機能を追加したい」という場合があるとします。お知らせ機能を追加するためだけにWordPressを導入するとなると、メンテナンスの手間やセキュリティ対策などの工数が増えてしまいますね。
しかしヘッドレスCMSでは、必要なページにのみAPI経由でデータを取得しページ上に表示することができるので、静的サイト等にも気軽にCMSを導入することができます。
フロントエンドの自由度が高い
ヘッドレスCMSはコンテンツ管理のみの担当なので、コンテンツの表示部分を担うフロントエンドのシステムを自由に選定することができます。
WordPressはPHPベースで開発されており、さらにフロントエンドとバックエンドの一体型なので、必然的にPHPでフロントエンドを構築する必要がありますね。
それに対してヘッドレスCMSなら、静的なHTMLへの組み込みや、ReactやVueといったモダンなJavaScriptフレームワークでフロントエンドを構築することも可能です。
ヘッドレスCMSを導入するには?
ヘッドレスCMSを導入するには、以下の2つの手順が必要です。
- ヘッドレスCMSサービスに登録する
- フロントエンドを構築してコンテンツを表示する
ヘッドレスCMSサービスに登録する
まずはヘッドレスCMSサービスに登録する必要があります。日本製のヘッドレスCMSであれば、以下の2つがおすすめです。
これらのヘッドレスCMSは標準で日本語の管理画面を使用することができ、また料金プランによってはチャットサポートを受けることが可能です。日本の企業の導入実績も多数あるので、この2つの中から選んでおけば間違いありません。
フロントエンドを構築してコンテンツを表示する
ヘッドレスCMSはコンテンツ管理のみなので、単体ではコンテンツを表示することができません。そのため、コンテンツを表示するにはフロントエンドを自前で構築する必要があります。
一般的には、自社のエンジニアや外部の制作会社にフロントエンドの構築を依頼することが多いです。その分時間とコストはかかってしまいますが、言語やフレームワークを自由に選定できるため最終的にはWordPressよりも自由度の高いサイトの構築が可能になります。
WordPressやヘッドレスCMSの導入の手間を減らしたいならぜひHIVEにご相談を!
当記事では、WordPressのメリット、デメリットについて紹介しました。WordPressは20年以上前からあるサービスで、未だにCMS市場では圧倒的なシェアを誇っていますが、デメリットも多くあります。
もしWordPressの使用を検討している場合は、当記事で紹介したデメリットについてしっかりと対策することをお勧めします。
また、WordPress以外の選択肢として、ヘッドレスCMSについても紹介しました。フロントエンド構築の工数がかかる分、WordPressよりも圧倒的に自由度・パフォーマンスが高いサイトを実装できるので、ぜひ検討してみてください。
HIVEでは、WordPressでのサイト制作やカスタマイズ等、ヘッドレスCMSの導入・フロントエンドの構築も承っておりますので、お気軽にご相談ください!