「Jamstack」という言葉を耳にしたことがある方も増えてきたかもしれません。
最近では、サイト制作の手法として注目を集めていますが、特にSEO(検索エンジン最適化)の分野で大きなメリットをもたらすことが知られています。
なぜJamstackサイトは検索エンジンに好まれるのでしょうか?本記事では、SEOの観点からJamstackの強みや検索順位を上げる要因について詳しく解説します。
SEOにはさまざまな種類がありますが、この記事では主にテクニカルSEOにおけるJamstackのメリットについて説明していきます。
JamstackがSEOに強い3つの理由
当記事では、JamstackがSEOに強い理由を3つピックアップしました。
- CDNと静的ファイルの配信による高速表示
- セキュリティ性が高く、対策が容易
- クローラビリティが高く、検索エンジンにインデックスされやすい
それぞれ以下で説明していきます。
1. CDNと静的ファイルの配信による高速表示
Googleのコアウェブバイタル(Core Web Vitals)の指標の一つとして、ページの読み込みパフォーマンスが重要視されています。
ユーザーがWebサイトを開いてからページが表示されるまでの時間が速いほど、検索エンジンに好まれるということですね。
Jamstackで作成したサイトは、
- ページを静的ファイルとして事前に生成する
- 最寄りのCDNを利用して高速配信する
という特徴があるため、ページの表示速度が非常に速いです。
表示速度の速さはそのままSEOにも影響するため、JamstackのWebサイトは検索エンジンに好まれると言えます。

Lighthouseで測定したHIVEのサイトパフォーマンスの計測結果
当サイトもJamstackで制作していますが、全ての指標で満点近くのスコアを取得しています。
2. セキュリティ性が高く、対策が容易
Googleは、サイトの安全性もSEOの要因の一つとして重要視しています。
Jamstackでは、セキュリティ対策において以下の2つの点で優れています。
- 自動SSL化が簡単に行える
- フロントエンドとバックエンドの分離によるセキュリティ強化
Jamstackなら自動でSSL化が可能
SSL化(HTTPS化)は、サイトのセキュリティを高めるために重要な要素です。
GoogleのSEOガイドラインでも、サイトのSSL化(HTTPS化)が推奨されており、ランキングにも影響するということが明記されています。
ユーザーとサイトのセキュリティ向上のために、ウェブサイトでは HTTPではなくHTTPSの使用をおすすめします。HTTPを使用するサイトには、Chromeブラウザで「安全でない」という表示が付く可能性があります。
サイト運用SEOメンテナンスガイド | Google検索セントラル | ドキュメント | Google for Developers
Jamstackではサイトを公開するためにホスティングサービスを利用することが一般的ですが、多くのホスティングサービスでは自動でSSL化を行う機能が提供されています。
そのため、手動で証明書を取得したり、リダイレクトの設定を行う必要がありません。
ホスティングサービスは以下の3つが有名ですが、いずれもSSL化と更新を自動で行なってくれます。
従来のレンタルサーバー等でサイトを公開する場合は、SSL証明書の取得やHTTPSへのリダイレクト設定などを行う必要がありました。
Jamstackではこれらの手間が省けるため、セキュリティ対策が容易になります。
フロントエンドとバックエンドの分離によるセキュリティ強化
Jamstackは、サイトの表示部分であるフロントエンド(見た目やデザイン)と、データの処理部分(情報の管理やデータベースのやりとり)が分離されています。
この構造の利点は、表示されているページがデータベースやサーバーと直接接続されていないため、ハッカーにとっては攻撃の手がかりが見つけにくくなる点です。
表示しているページは事前に生成された静的コンテンツなので、攻撃者からすればサーバーやデータベースとの繋がりが見えず、攻撃のしようがないというわけですね。
ハッキングによってサイトが危険と判断されると、ブラウザや検索エンジンによって警告が表示され、直帰率の上昇や信頼性の低下によるSEOへの悪影響が生じてしまいます。
なので、Jamstackの分離構造による高いセキュリティ性は、SEO面でも効果的な対策の一つと言えるでしょう。
サイトの安全性が向上することで、ハッキングリスクが減少し、ユーザーの信頼を守りつつ検索エンジンからの評価も維持されやすくなります。
3. クローラビリティが高く、検索エンジンにインデックスされやすい
検索エンジンにコンテンツをインデックスしてもらうためには、クローラーがサイトを効率的に巡回し、コンテンツを理解しやすい構造になっていることが重要です。
この巡回のしやすさをクローラビリティと呼びますが、Jamstackは以下の特徴によりクローラビリティが高いです。
- ページのコンテンツがクローラーにとって理解しやすい
- ページの表示速度が速いため、クローラーが効率的に巡回できる
ページのコンテンツがクローラーにとって理解しやすい
Jamstackは、事前に静的ファイルを生成し、サーバーを介さずに完成したページを直接配信できる仕組みです。
そのため、クローラーがページを巡回する際に、JavaScriptの動的処理やデータベースとのやりとりを必要としません。
事前に生成された静的コンテンツがそのまま読み取られるだけなので、クローラーにとって理解しやすいという特徴があります。
ページの表示速度が速いため、クローラーが効率的に巡回できる
Jamstackの最大の特徴である表示速度の速さは、ユーザーだけでなくクローラーにとっても有効です。
ページの読み込み時間が早いと、クローラーは効率的にサイトを巡回することができるので、結果的に素早くインデックスされやすくなります。
Googleのクロールは、帯域幅、時間、Googlebotインスタンスの可用性によって制限されます。サーバーがリクエストに迅速に応答する場合は、Googleがサイトのページをより多くクロールできる可能性があります。
大規模サイトのクロール バジェット管理 | Google 検索セントラル | ドキュメント | Google for Developers
Googleが言及しているように、表示速度の速さがそのままクロールの効率に繋がるため、Jamstackは検索エンジンにインデックスされやすいと言えるでしょう。
JamstackがSEOに強い理由まとめ
今回は、JamstackがSEOに強い理由を3つ紹介しました。
内容をおさらいすると、以下の通りです。
- CDNと静的ファイルの配信による高速表示
- セキュリティ性が高く、対策が容易
- クローラビリティが高く、検索エンジンにインデックスされやすい
Jamstackの最大の特徴である高速表示は、ユーザーだけでなく検索エンジンにとっても重要な要素であることがわかりました。
また、SSL化やフロントエンドとバックエンドの分離によるセキュリティ強化が、SEOにおいても有効な対策となります。
Jamstack = SEOに強いという訳ではありませんが、Jamstackの特性を活かすことでSEO対策を効果的に行うことができることがわかっていただけたかと思います。
サイトのパフォーマンスやSEO対策にお悩みの方は、Jamstackの導入を検討してみてはいかがでしょうか?
Jamstackについてさらに詳しく知りたいという方は、ぜひ以下の記事も参考にしてみてください。
